雪明かりの王女/beebee
でした。
『心配することはないよ。あの家にもきっと素晴らしい贈り物があるから。神さまは優しくて公平でいらっしゃるから、そんな不公平はなさらないよ。』
そう言いながら王女さまの顔を覗き込んだ王様の目は真っ赤になりました。王女さまは小さな両手で王様の頬を挟むと、恥ずかしそうな王様の目を見詰めました。
そこから次々と大粒の涙が出て来ました。
王様は我慢できずに泣いてしまいました。王様はとても悲しくなりました。王女はなんて優しいのだろう、なんて自分は欲張りだったのだろうと王様は泣いたのでした。
その時でした。王女さまは小さな息を一つすると静かに目をつむりました。そして、そのまま死んでしま
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