雪明かりの王女/beebee
めていました。王様は王女さまの傍らに立って、ニッコリ笑いながら王女さまの顔を覗き込みました。
しかし可愛らしい王女さまは小さな溜息を一つすると、また悲しそうに言うのでした。
『お父さま。あそこにも、あそこにも灯りがついてないお家があるわ。あのお家にも明日見に行ってもらいましょう。』
『ああ、そうだね。きっとあのお家の子供には、きっと金や銀の飾りの付いた緑色の革靴が窓の下においてあるよ。』
王様はまた王女さまの部屋から出て行きました。そしてまた別の家来を呼ぶと、王女さまのために買って置いた贈り物の中から、王女さまに言った通りの美しい緑色の革靴が入った小さなプレゼントの箱を渡して、あの家の
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)