プラネタリウムの夜/ましろ
 
リュックの紐を握り白い息を弾ませた

ぐんぐん歩く
ただ 彼の紐を信じて

寒い
いつしか彼に手を握られていた

気がつけば辺りは真っ暗で
ずいぶん寂れている

おかしいな。
地図を片手に
彼は盛んに髪をいじりだした
動揺すると必ず出る仕草
身も心も弱すぎる私は震えてしゃがみこんだ
足がじんじんし手は凍えて唇は紫だ
迷ったみたいなんだ…ごめんよ。
まさか喫茶店らしきものなどない
ほら、ここにいたら凍えちゃう。
なんとか立たされると
引きずられるようにして泣きながら歩いた

あ、こっちだこっち!
どれくらい歩いただろう
体が麻痺してよく聞こえない

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