Moonchild/ホロウ・シカエルボク
 
に、それだけは気をつけていた―聴覚と嗅覚に優れたものたちが抗議の声を上げる
さながら夜は満たされぬ思いがそこかしこに跳ね返るピンボールのよう、僕はすべてを見たけれどもあまりにもくだらないと感じていたので欲望など覚える気にもならなかった、少女は痛がりもしなかったし老人は苦労すらしなかった…外れれば外れるほどプレッシャーは少なくなるものさ―僕に胡散臭い正義感があれば二人とも殺したかもしれない
不思議なものでどんなに頭がおかしくってもきちんと回線は繋がるものだ、ああ、その少女の不自然なまでの口角に浮かんだまともさ、怖くはないけど僕の腕にはぷつぷつと鳥肌が立つ…すべてを見ることなくそこを離れるわけには
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