初恋/海月
 
女は声をかけてきた。
何処か懐かしい。
「そうですね。」
彼は上手に言葉を表せるわけではなかった。
「何か部活に入るの?」
「う〜ん、悩んでいる最中です。何か部活に入っているのですか?」
「私は何も入ってないよ。だけど、入ったほうが良いよ」
会話はそんな感じで進み、お昼休みは終わった。
彼はまだ話したかったので一緒に帰る約束をして別れた。

一年間も会えないと積もる話があった。
時間を少しだけ貰って彼は色んな話をした。

穏やかに季節は巡った。

彼女は修学旅行に行く日になっていた。
その三日前ぐらいに一緒に帰ったので、
そんな事を聴いてい
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