初恋/海月
よりも小学校を早く卒業した。
彼も彼女のいない一年間で、彼女も覚えてないと思っていた。
翌年、彼も小学校を卒業した。
近くに中学校が沢山あるわけでもなく、私立に行く人も殆どいなかった。
そのこともあり、彼は彼女と同じ中学になった。
彼女と会う機会は唐突に訪れた。
移動教室で廊下を歩いていた時に彼女とすれ違った。
彼女は覚えていたらしく、肩を叩いて。
「今日のお昼休みに図書室に来て」と呟いて足早に去った。
お昼休みに彼は図書館に行った。
彼女は直ぐに見つけられた。
長髪の綺麗な黒が昼下がりの陽射しに揺れていた。
「久しぶりだね。」
彼女は
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