ユダは考え深かった。/生田 稔
真理や方法を求める途上にあるにすぎない。
どうも、昨日読んだ小林秀雄さんの「様々なる意匠」の影響が今日のわたしには強い。
と、気取ってみても仕方がない。野次馬どもがどう言おうとも、わたしは食わなければいけない、食う方法を見出すためには、書かねばならぬ書かねばならぬ。
遠藤周作氏によれば、イエスがキリストであり彼に関する聖書の予言が着々と成就しつつあることを一番理解していたのがユダであったと聖書をよく内面的に想像を働かせ、周辺の事実を寄せ集めると解るというのだ。
そのほかの弟子たちはただ偉大な主イエス、あるいは何か良いものをくれる人イエスとしてしか捕らえていなかった。彼らの心には、ユダ
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