ユダは考え深かった。/生田 稔
 
かで、科学者たちが集まって、糞尿の利用法について、しきりに研究するところがある。幼心であってもこのことに非常に感心した。有り余って、臭くて汚くて仕方がないどうしようもない余計者糞尿を旨く利用すればこれほど良いことはない。
 ただそれだけの感慨だったけれど、時折公害だとか汚染だとか言うことをきくとき、その必要性を深く思わざるをえない。わたしだけではない、そのことを考えている人は多いにちがいない。糞尿が金肥であったことを知るときますますそうである。
 こう考えると、確かに普遍的真理や絶対的方法論はこの世に存在する。そうでなければ、この世界は、いや宇宙は存在をすら始めなかっただろう。我々は、その真理
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