批評祭参加作品■僕たちの罪は、どうすれば癒されるのだろう/2TO
 

・僕たちの罪は、どうすれば癒されるのだろう?

 最終連において、さながら「綺麗な水」を求めるあのイライザのように「わたし」は祈る。それも、「わたしもまた名前をもたず、祈るすべさえあいまいなまま」、「いつかえいえんまで、舟をこいでいこう」(最終連)と願われる。ここで展開されるイメージについては、私としても再びバシュラールにご登場願おう。
{引用=
死が水のなかに存在するのだ。われわれはこれまで葬送の航海のイマージュをとくに喚起してきた。……(水は)完全な分散状態におけるわれわれの存在の滅亡を知らせるのだ。……水はもっと完璧に分解する。それはわれわれを完璧に死ぬように手助けをする。*11
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