外国人のミサイル/N哉
 
くしてくれ、もう時間がない。そう思いながら隣りを見たら、そいつもおれを見ていた。

『行け』

 そいつからテレパシーが送られてきた。

『お前が行けよ』

 おれもテレパシーで返した。

『無理』

 おれとそいつの間で激しいテレパシーの応酬が始まったが、最終的にはロシアのパンチが中国に炸裂した所でうやむやに。目的を果たしたロシアはホームへと消えた。待って欲しい、そっちにはおれの地下鉄が来る。
 まあしかし、開かれた道にどっと押し寄せた日本が小競り合いしながら、次々とホームに消えた。おれもこいつらになら負ける気がしないと、身を乗り出した。
 が、その時、気を失っている
[次のページ]
戻る   Point(2)