批評祭参加作品■余白について考える試み/岡部淳太郎
の比重が高いために、一文字ずつをより丹念に読むことが要求されるし、大きくとられた余白がその意識をさらに高めさせてもいる。
ここからがやっと本題である詩の余白の問題になってくるが、まずはせっかく取り上げたので、詩集『一輪』を見てみよう。それぞれの詩人や詩作品によって違いがあるが、この詩集の場合は一行の長さがわりと短い。最大で十五文字ぐらいであろうか。そのために、各ページの下の方に大きな余白が現れている。ページの下半分以上が余白である。詩集によく見られることだが、詩が記されているページが三ぺーじとか五ページの奇数になっている場合は、左側のページが丸々全部余白になっている。そのため、次の詩は必ず偶数
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