批評祭参加作品■いま詩を書くということ/岡部淳太郎
言うつもりはないし、常に「いま」の中でしか生きることが出来ない人間を後になってどうこう言っても仕方がない。とにかくいつだって大事なのは「いま」であり、それを認められない者は生きられない。過去の中に退行するか、見えるはずのない未来を夢見て座りこむしかないのだ。
時を自由に駆け巡ることが出来ないからこそ、「いま」は重要なのだ。時はいつも「いま」しかない。常に連続する「いま」の中に置かれて、生きて書きつづけていくしかない。若い書き手にとっては未来が待っているかもしれないし、私にとっては過去が振り返りいつでも調べることの出来るデータベースとしてあるのかもしれない。前のめりになりそうになるのと後ろ髪を引
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