批評祭参加作品■いま詩を書くということ/岡部淳太郎
を引かれそうになるのと、それぞれに方向は異なっているように見えるかもしれないが、両者ともに足はしっかりと「いま」の土壌の上にある。いま詩を書くということ。歴史の総括や検証でもなく未来への不確かなヴィジョンでもなく、「いま」の混沌の中でとりあえず書こうとすること。すべての人がその日一日を生きているように、いまここにある空気を吸っては吐き出すように書いていくこと。それがまぎれもない「いま」の書き手たちの実存である。迷っている場合ではない。「いま」に向かって進むのだ。私の「いま」はここにあり、同じく「いま」を生きている人々とともに唱和することを私に要求している。
(二〇〇八年一月)
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