批評祭参加作品■いま詩を書くということ/岡部淳太郎
体的に見てしまえば彼等は自分自身を信じているように思えるし、その信じるという態度が私にとってまぶしく見えるのだ。また、彼等は私のような勉強という過程を潜りぬけずに、素手で詩をつかんでいるようにも見える(あくまでも見えるというだけの話で、若いなりに勉強や努力をしているのだということは承知の上である)。これも若さゆえの特権なのだろうが、その瞬発力が私にとってはうらやましい。
とにかくいつまでも愚痴を言っていても仕方がない。「いま」という時間とはいったい何だろうかということに戻ろう。若い書き手にとっても私のように無駄に年を重ねた者にとっても、「いま」という時間は等価である。いや、いまの私の気持ちから
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