批評祭参加作品■クラシック音楽についての印象/葉leaf
るとき、音楽を鳴らしているのはCDプレーヤーではない。私である。私が楽器として奏でられているのである。
私は振動する絃であり、息を吹き込まれる管である。私は弦楽器の音も、管楽器の音も、打楽器の音も、あらゆる音をあらゆる高さであらゆる強さで鳴らすことができる、万能の楽器である。
私は時折奏でられることに飽きる。奏でられることに耐えられなくなったとき、私は音楽を聴くことをやめる。奏でられたくなったとき、音楽を聴き始める。
■炎
音楽は炎である。明確な形を持って静かに燃えることもあれば、激しく乱舞することもある、色のない冷たい炎である。音楽=炎は決して煙を出さない。燃料
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