批評祭参加作品■クラシック音楽についての印象/葉leaf
 
燃料は燃焼によって完全に消滅し、別のものに姿を変えることはない。

 音楽=炎は、胸の辺りでいらいらしている砂のようなもの、脳の層の間に固着した重い金属液のようなもの、を燃料とする。音楽=炎は少しずつこれらのものを吸い上げていき、不思議と非生命的な地平で燃え続ける。

 音楽=炎は燃え移る。だが燃え移った瞬間、別種の炎になってしまう。この炎は色を持ち、熱を持ち、人を楽しませることができる。人の肉体に燃え移るからだ。

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