批評祭参加作品■ダイアリーポエム調の散文/mizu K
 
る。走り出す。風きり音がひゅうひゅういう。携帯を取り出したいが痴漢
しそうなので動けない。目だけ動かす。前の座席の人は口をぽかっと開けて寝ている。
ぐーでもつっこみたくなる。後ろの男のなまあたたかい鼻息が襟にかかる。なにも感じな
いことにして目を、閉じようとしたとき斜め前の座席の人の胸元が気になりだす。ちらち
ら見る。いろいろ妄想しかけるが耐える。目を閉じ、ようとしたらまた妄想しだすので広
告でも読むふりをする。“某人気女優(バストxxcm)が脱いダ!”だそうな。“某マジカ
ル・ミステリー・スピリチュアル・カウンセリング・セラピストの信じられない真実!!”
だそうな。“超セレブの高木
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