批評祭参加作品■ダイアリーポエム調の散文/mizu K
。前方を妙齢サラリーウーマンが歩いている。スカートがタイトすぎる。拝む。
横のアパートから小学生が駆け出す。ママーはやくしてー。いつもこの時間杖をついてた
ぶんリハビリ中の老人とすれ違うようにして地下に吸い込まれる。向かい風。生え際を気
にする。階段をおりる。通路を歩く。だれもが不必要なほど大きく靴音をたてている。改
札を抜ける。エスカレーターでおりる。ホームのいつものところに立つ。アナウンス。悲
鳴のような轟音。ドアがあく。乗る。ぎゅうぎゅう押される。なんとか吊り革につかまる。
ドアがしまろうとするが誰かが駆け込む。再びドアが開く。「駆け込み乗車は...」録音音
声が機械的に喋る。
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