批評祭参加作品■ネット詩fの裂け目から/2TO
録した人」がいるわけだが、それはタダのハンドルネームであり、そのハンドルネームまで含めて、作品が「中の人」を作り出すのである。たしかに作品の消去によって「中の人」が消えるわけではないが、そのネット空間における作者は実際に抹消されるのである。
これまでの議論から2つ目の定理が浮かび上がる。「ネット空間において、オリジナルは存在しない。」すなわち「ネット空間における作者/作品は、すべてがシミュラークルとして存在する。」という公理である。したがって、もう一歩進んだ議論をするならば、「ネット詩、と呼ばれるようなものは、すべて複製芸術である。」ということもできるだろう。(勘違いしないでほしいが、自分
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