批評祭参加作品■ネット詩fの裂け目から/2TO
自分は「紙媒体/ネット」という二項対立にそって議論を展開しているのでも、紙媒体に対するアンチテーゼとしてネットを語っているわけではない。ただ、それぞれのメディア固有のあり方を無視することなく、両者を取り上げようとしているにすぎない。ジンテーゼなど求めてはいないし、そもそも不可能である)。
現代詩フォーラムは擬似市場システムであると言ったが、それを作り出したのは監視者としての管理人である。もちろん、「暴言、誹謗中傷などへの適切な処理、入退会の管理など、BBSの管理者は自身の裁量権限のもとにそれらを適切に行う必要がある。」しかし、だからこそ我々はその管理人に対して倫理を突きつけなければならない。現代詩フォーラムが擬似市場であるとしても、我々は商品ではない。ただ、現状を考慮すると、ネット詩について書かれているものは、(今回挙げたものを含め)ほとんどが「印刷物としての詩」というディスクールから逃れていない。ネット空間における詩作に固有のエチカを打ち立てること、そこからこの「文学空間」は始まることになるだろう。
*1 アリストテレス「詩学」岩波文庫、p.23
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