批評祭参加作品■気風は断絶したか?/岡部淳太郎
。詩人と詩人を区別する差異は言葉であり、修辞的なこだわりである」という冒頭の文章はその当時の詩の状況をコンパクトにまとめたものだが、特に前半の「戦後詩は」から「隔たったといってよい」までを読むと、それが現在の二十一世紀の詩の状況を予言した言葉のようにも思えてくる。「詩」という中心軸があると仮定して、その大文字の「詩」から遠く離れたところにひとりひとりの書き手が散在している。吉本が言う「修辞」に力点を置く書き手も、「生活」などの個人的事象に力点を置く書き手も、大文字の「詩」から遠く隔たって、内実を何となくごまかしながら書きつづけているように見える。仔細に眺めればそうではないと言われるかもしれないが、
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