批評祭参加作品■気風は断絶したか?/岡部淳太郎
 
が、全体としてそのような印象を抱いてしまいそうになることもまた事実で、問題はなぜそのような印象を抱いてしまうのか、現在の詩がそれぞれに個別で存在していてそれに無自覚なまま大手を振って歩いているように見えてしまうのはどうしてなのかだと思う。そこには詩だけに限らずこの二十一世紀という時代を被う時代的雰囲気が影響しているのだろうが、現在の詩がそのように見えてしまいかねないということは、どこかで「気風」の断絶や破棄があったのではないかという思いを惹き起こさせるには充分であると思う。
 先ほども書いたように、「気風」が断絶しているか否かということは本当は大した問題ではないのかもしれないし、歴史の積み重ねの
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