批評祭参加作品■気風は断絶したか?/岡部淳太郎
 
をリードするにはあまりにも年老いてしまっている。それ以降の六〇年代や七〇年代に登場してきた詩人たちも沈黙したり気ままに書いていたりで状況から離れてしまっているように見える。それより後の世代となると決定的にスター不足であるという感は否めない。つまりは、軸がないままにそれぞれがそれぞれの場所で孤独に存在しているだけのように見えるのだ。これは私の勝手な思いこみにもとづく見取り図ではあるが、現状はそこからあまり遠いところにはないだろう。
 こうした現状を見てみると、果たして二十一世紀の詩の現場に「気風」などというものが存続しているのかと疑いたい気持ちになってくる。またそのいっぽうで、そんなに「気風」にこ
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