批評祭参加作品■現代詩の記号論2/葉leaf
 
の「恐怖の研究」から次の箇所を引用する。

 かれらは殺到する
 かれらは咆哮する
 かれらは掠奪する
 かれらは陵辱する
 かれらは放火する
 かれらは表現する

言葉の意味をしばし無視して、文字の形だけを注視してみよう。「かれらは  する」という比較的単純で丸みを帯びた、量産された台のような物に、「殺到」「咆哮」などの複雑で角張った造形物がはめこまれている。「量産され整然と並べられた台の上にそれぞれ異なった複雑な構成物が載っている」、我々はこの箇所において、このような視覚的印象を受け取る。その印象は特に記号作用を媒介とすることなく詩そのものから直接与えられる印象である。詩は第
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