批評祭参加作品■現代詩の記号論2/葉leaf
 
から、「青い軽蔑」は意味論的コードにより拒絶される。一方で、「青い」と「軽蔑」の結合を禁止することは、語と語の結合を規律することだから、統辞論的コードによる規律であるとも言える。
 さらに、コードを補完するものとして「コンテクスト」に言及しておこう。メッセージの受け手は、コードだけではメッセージを解読できないことがある。たとえば、「私は象だ」という発言は、それが、「好きな動物は何ですか?」という問いかけの後に言われたものだというコンテクスト(文脈)の理解があって初めて正しく理解される。そのようなコンテクストがなければ、発話者が象という動物である、という意味にとられかねない。
 最後に「象徴作用
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