批評祭参加作品■現代詩の記号論2/葉leaf
より、「ここでは吹雪のことを言っているのだ」などと解釈することもあるかもしれないが、それはむしろ例外である。読者はコードの教える意味で満足し、ことさらに解釈しようとは思わないのだ。
それに対して、2.3.1、2.3.2で見てきた「コードを逸脱する表現」は、慣習的に自動化された記号作用をすることができない。2.3.1のEx1では、それまでにない新しい共示義が創出されているわけだし、Ex2では新しい記号が創出されている。2.3.2で挙げた例では、語の文法的範疇が変更されている。読者は、詩人が提示する記号表現に対して、慣習的に固定した記号内容を付与することができない。コードを逸脱する記号表現を前にし
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