批評祭参加作品■現代詩の記号論2/葉leaf
表現を考える。この表現には「解釈の可能性の広がり」が伴っている。「雪」は粉雪かもしれないし牡丹雪かもしれない。「降る」といっても、大量に降っているのかもしれないし少しだけ降っているのかもしれないし、場合によっては吹雪いているのかもしれない。
そのすべての可能性を、「雪が降る」はカバーしている。
だが、「雪が降る」の場合、読者は即座にその意味を理解できる。「雪が降る」はコードをなんら逸脱しない表現であるから、コードを参照すればよいだけなのだ。しかも人がコードを参照して意味を読み取るという過程は自動化されている。原則として、特に解釈する必要がないのである。場合によっては、文脈を参照することにより
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(5)