批評祭参加作品■現代詩の記号論2/葉leaf
という目的語をとることによって、そのような統辞論的コードが破られているのである。
語は、「名詞」「形容詞」「自動詞」「他動詞」などの範疇に分かれていて、その範疇の結合の規則に従う。たとえば形容詞は名詞の前に置かれたり述語として配置されたりするものと決まっている。文法的範疇の結合の規則は強固に決まっている。だから、たとえば形容詞が主語の位置に置かれたりすると、「形容詞も主語になれるのだ」という主張は却下され、「形容詞が名詞化されたのだ」という主張が採用される。たとえば「美しいは醜い」において、「美しい」はもはや形容詞ではなく名詞なのである。
それゆえ、引用部においては、「自動詞も目的語をとれ
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