批評祭参加作品■現代詩の記号論2/葉leaf
 
像」を一義的に意味する。もちろん多義的な記号もある。たとえば「子」は「両親の間に生まれた人」「雌雄の間に生まれた動物」「養子・継子」「年少の者」など多数の記号内容を意味する。しかし、記号表現が一義的であれ多義的であれ、通常の記号使用は既成の社会的慣習的コードに従っている。
 これに対して、詩における記号使用は、

 Ex1.既成の記号に新たに共示義を付け加える
 Ex2.新しい記号表現・記号内容を創造する

ことによって、既成の意味論的コードからはみ出て、意味論的コードを複雑化し、拡張する。
 Ex1について具体的に見てみよう。ここで拙作「法学」から次の箇所を引用する。

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