批評祭参加作品■現代詩の記号論2/葉leaf
 
的な美が詩行の意味作用を前提に成立していることは言うまでもないだろう。
 このように、一見非記号的な働きと思われる美の創出に関してさえ、意味作用が不可欠の役割を果たしている場合があるのだ。意味作用がある以上、記号論はそれを分析することができる。記号論は、当然、美的ではない論理的構造的対象を分析することが可能だが、それにとどまらず、美的な対象をもある程度は分析することができるのである。
 では、具体的に現代詩を記号論的に分析していくことにしよう。


2.3.1.意味論的コードの拡張

 記号表現と記号内容は原則として一対一に対応する。たとえば「演算子」は「関数に関数を対応させる写像」
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