批評祭参加作品■現代詩の記号論2/葉leaf
 
れる。私はそのような意見は採用しないことをここに明言しておく。



2.3.記号としての詩

 さて、TAに対しては批判が可能である。たとえば宗教画の美は、鑑賞者の抱く宗教的感情を抜きにしては語れないことが多い。ところが宗教的感情は、その宗教画が何を描いているか(何を意味するか)を知ることによって初めて生じるものである。宗教的感情は、宗教画の意味作用を前提にして誘発されるのである。だから、意味作用を度外視しては、宗教画の美を十分に語ることができない。
 あるいは、詩の比喩を考えてみる。たとえば「青い軽蔑」という隠喩を考えると、ここでは「青い」という語と「軽蔑」という語の意外な結びつ
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