死んだアイツのことなんて、どうでもいいと思っていた/わら
銃口をむけられたこともあった
パトカーに乗せられたのも
今となれば笑える話
ただ、あのときは、
単純に、死んでもいいと思っていた
生命力がカラまわる
生きる力と失落が入り混じる
どんな自然の息吹を目にしても
どんなに照りつける日射しに皮膚が熱をあらがっても
こころの内に
ぽっかりと空いたものを埋めあわされなければ
体温は消えてゆくようで
生に、必死に食らいつきながらも
どこかで、なにかに冷めている
ずいぶんと走ってきて
だけど、きっと、
くらやみの中で
カタカタと、うずくまっているのが
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