大切な人/yoshi
いままの料理を目の前に
肩で息をするばあちゃん
そっと頬に触れ、暖かさを確かめる私
涙が止まらず、でもその涙が不安を掻き立てるのではと必死でこらえた
両親の名前はもう言えないらしかったのに、私の名前はきちんと言ってくれた
肩で息をするほど苦しそうなのに、食事は大丈夫か?気をつけなさいよと
私の心配をしている
小さくなってしまった肩に触れて、じゃあね、と別れたその数時間後
私は今来た途をまた逆戻りすることとなってしまった
ばあちゃんが天に召されてもうまる4年が経った
結婚式はばあちゃんの死んだ日の3ヵ月後に予定されていた
3ヵ月後
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