小詩集【にゃお。】/
千波 一也
ょう
恨みつらみも憎しみも
優しさという
そよ風も
むかし、
草原だった日の思い出に
にわか雨が降ります
ちいさな箱で
目覚めることが
見上げるかたちの
ひとつ、として
すっかり
穏やかです
だれか、
抱きかかえてくれますか
それは
怯える数にも
勝るものだ、と
教えてくれますか
最後の最後まで
行き止まる壁には
色がありました
すれ違ってきた手を
ほどよく匂わすように
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