機会者/狩心
 
渡る

壁は鮮やかに塗り固められている
文化と
平凡な営みの為に
聖職者の生殖器が陳列されて
愛撫の波に酔う
愛にさすらう
その意味を知らずとも
事は必然的に終わる

熱い焼釜で育てられた侮辱
半熟卵の吐息
目は虚ろに
何かを掻き毟るように
バスに乗って天国へ向かう
人々の声が
届かない場所へ

命令されるのは朝起きた直後
足の裏に鎌を装備して
家のドアには
昆虫の死骸を貼り紙として
片方の目が
自然を引き摺りながら
蛙に乗って
おたまじゃくしの学校へ行く

どろどろに溶けたショートケーキ
砂糖の拡散が
地層を分解する
硬く伸びた一枚の
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