機会者/狩心
 
枚の板
指紋の残る
石の叫び

透明な者ほど
よく人の前に出たがる
確認される必要もないのに
恐怖と
命を呼び込む
その手法は
死を何度も噛み締める事
黄金のダンスを拒否する事
愛する者の為に
言葉を失う事を恐れない事

一定の距離の後立ち止まる
三点描写の三角形の横に
二つの雑草を抱えて
階段を上ってくる若者が
老人の体と一体化する姿を

太陽の枝の
木漏れ日の下で見つけた
慌しく旗がはためく
群青の空に
ベクトルが機械化していく

黒とピンクの鞭の花柄が
唾液の中に
煉瓦の設計図を提供する
建物から建物へ移動する
渡り鳥の一瞬

[次のページ]
戻る   Point(3)