機会者/狩心
ニールのパッケージ
子供が螺旋状に階段を飛び降りて
三人の男女が暮らす物語を
手首の中に閉じ込めた
長い長い旅路は
夢の中で一枚の絵になる
初めて文字を音にした時
人間の縮図が
崩れる
力なく全てを落とした
順番が間違っていないか
始めから何度も読み返した
態勢が変わる
そして腰が地面に着く
揺れる鼓動が
サーカスのブランコで笑う
少女を焼き付けた
何度でも突き立てる
ばら撒かれた銀色の器に
部屋を暖めるスイッチを押す
ぼやけた硝子の扉を閉める
手提げ袋の中には
白骨化した犬が
主人を求めて彷徨う
意識を飛ばす
私が知らない場所に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)