機会者/狩心
 

張り付いた

全体を見渡すと
一つ一つが消える
単純な事も忘れて
数の中に
孤独が生まれる

始まった場所に
戻る旅は
いつの時代も
平等に
残酷だった

頬杖を付いて
目の前で笑う君に
奇跡に似た
時を刻む

いつでも終われた
誰に約束されるでもなく
心は天秤に掛けられた
舞い上がる灰が
空を
七色に染める

体のチャックを
首元まで上げると
現実に戻される気がして
必死に大砲に弾を込めた
一つ一つの山を
飛び越えていく

同じ言葉を繰り返してはならない
という呪縛が
生命の輪廻に
花を添えて

空気の通らないビニー
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