【エッセイ】裏庭について – それからすこし家の話/mizu K
 
(そしてなるべく石造りかそれに類するものでトンネルのようになっていて、
苔が生えていたりやつるがぐるぐる巻き付いていたり薄暗くてコウモリとかいて、先の
方がぼんやりとあかるくなっていて水のさらさらと流れる音がきこえてそれからさらに
なんともいえないいい匂いがしてくれれば、なおよい)をくぐってそこに入らねばなら
ない。まったく外界から切り離されているわけではないけれども「適度に」隔離されて
いなければならない。となると、牢獄のように高い塀ですべてを包囲されてはならず、
かつ光を、それも強すぎない光をおくり、庭の草木が在るための水や土壌その他一定の
条件が必要になる。いうなれば、庭が「呼
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