【エッセイ】裏庭について – それからすこし家の話/mizu K
 
れている」という強い安心感のほう
が彼/彼女らには大切であり、おそらくは、そこに閉塞感を感じはじめるならば、それ
は裏庭をはなれ、外部、外の世界へ踏み出す萌芽が生まれつつあるということにもなろ
う。そこからさらに外界で「確かな足どりで歩き出せる」かどうかはまた別の話ではあ
るけれども。

 さて、「裏」が存在するには「表」が必要になるわけで、それは「光」が存在するに
は「闇」が存在しなければならない、という問題と似たところがあるかもしれない。そ
れはどちらが先に「ある」かという、ニワトリと卵の話と同じでなかなか結論がでない
ことであろうが、一方が存在するにはもう一方も存在すること
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