【エッセイ】裏庭について – それからすこし家の話/mizu K
 
ベクトルがやや内側にむきやすい、いわゆる「内向的性格」を持ち、
身体的にも病弱であるこども(や大人)、が登場することが比較的多いようだ。そして
裏庭は、彼/彼女らにとって重要な役割をはたす。つまり、外からのはたらきや刺激、
圧迫に対して、まだその対処法を獲得しておらず抵抗力も持たず、たよりなげで、閉じ
こもりそうになるこどものこころを育て、はぐくむための場としてのそれである。
 一方では、外界から隔離されるということは内から見れば、閉じこめられることと同
義ともとれ、「囲われた場所」に対して閉塞感を感じるのではないかという見方もある
だろう。しかし、この時点ではそれよりも「まもられて
[次のページ]
戻る   Point(5)