進化する/木屋 亞万
 
残りと増殖なのだ
多様さのための犠牲が存在し
私は地上を離れなければならなかった

雲で暮らすのは中々コツがいる
慣れるまでは大変だった
散らかってもいないのに足の踏み場もないのだ
地上から見つからないだけでも素晴らしいと思わねばならない

存在し続けたければ一番には決してならない事だ
高等な奴らは身動きが取れない
すぐに滅び崩れ消えるのだ
月がなぜ白いのか君は知らないだろう
砂浜がなぜ白いのか知ってるかい
たくさんの女性が色を失った証なのだよ
ところで君の骨はまだ赤いのだろう
色を奪った君の骨じゃないか

飛び続けてどれだけ経つのだろう
雲平線から見る日の出
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