遺跡の街/リーフレイン
少し余分にチップを貰うことができた。 僕の学校の鑑札は街でも随一の信用度があったのだ。僕らは毎日のように新しいルートを開拓したり、遺跡マップを更新したりと、努力を欠かさなかった。僕らの学校は、街の玄関口にあたる遺跡駅とモールを校区の両端に抱えていたため、客に事欠くことはなかった。
僕はいつも「街には世界の全てが眠っている」と感じていた。他の街ならばとうになくなっている全てが今にも血を流さんばかりに眠っている。僕らにとって過去は足のすぐ下にあるもので、飯のたねで、僕らの家で、死で、いまだ探索されえないものだった。だから街の外へ出ていくか、街の内部へ潜っていくか、というのは将来を考え始める頃の
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