遺跡の街/リーフレイン
頃の僕らにとって大きな命題だった。街の外は町の内部よりも単純で色あせて見えてしまうのだ。事実、教育と自由と生活費のために他所に出た仲間の多くも、やがて街に戻ってきた。僕らの一部はもう遺跡になって、この街につながってしまっているのだと思う。
遺跡調査人という職業があって、僕らの中でもとくに遺跡に取り付かれた数人はこの職業についた。ひたすら調査し、行政府に調査の報告をして給料をもらう。ハンターの取り締まりにもあたった。長年の調査でとりやすい宝はとうになくなるか、登録されて管理されているかしているにもかかわらず、まだ深部へともぐるハンターはいた。正式な遺跡調査人になれなかった人がそちらへ回ってしまうこともままあるらしい。今日、僕は ”大いなる扉を見つけた。” とかかれた古いメモを拾った。
僕はきっと大いなる後悔を抱えながら笑みを浮かべ、この街に飲み込まれてしまうにちがいない。
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