黄色い点線/ピート
た
「その目を開ければいいのに
分かっているのよ
あなたが本当は目を開けられること
私には分かっているわ
何故、目を開けようとしないの?」
彼女は言った
「勇気を振り絞って
その目を開けるしかないのよ
さもなければ、あなたは本当に盲目になってしまうわ
さあ、今こそ目を開けるのよ」
僕はそっと目を開けた
ナイフとフォークを手にした男が近付いてくる
僕は彼女を見る
彼女は笑いながら化粧箱を手にとる
(その美しさは、世界の始まりのようだったとしか形容できない)
僕は逃げ出した
でも不思議と安らかな気持ち
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