復想園(2)/生田 稔
 
が、父はどのように言うだろうか。今迄に幾度も父に詫びそうになったのだが、もう再び使い物になりそうにない自分を見て、あの利にさとい父とその手下達は、はねつけし、、私も詫びる気はない、自分の思うようにならない小僧をどうかした再び自分にひれ伏させ支配下に戻したいと考える以外には何もないのだ。しかし父と子という腐れ縁は消えることはないのだから、悪魔の父も一挙に彼を滅ぼすことはできない。しかも父にとって聞くも忌まわしい神の知識を彼は身につけているのだ。父の悪魔は昔、自分の先祖のケルブが神の子の身でありながら、神に謀反したように、今わが子にそむかれて、自分の支配にひびを入れてしまった。わが子に叛かれてからの悪
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