当ての無い何かが、/榊 慧
 
い。止まってしまえ。自分勝手な考えに嫌気がさす。俺が悪いなら、逃がさしてくれ。宙にぶらさがって何が出来るか知ってますか。迫ってくる。息が荒い。触るな。極寒の宴で見世物として、俺はさらに、薄く。殺したりも、する。渦巻いているのは何処から巻き込まないで。破れた傘しか差す事ができずに、放浪する。いや、放浪したい。あまりにも寂しいけれどそれすらも分不相応で。間違えられた。俺はそんなに強くは無い。何かがつけた影に傷つけられて、重低音が、ヴヴヴヴと、ひかる。さらしを下さい。
朝起きると絶望が箇条書きされてるとつぶやく。聞こえない。開いた傷は、意外に深く大きい筈。惰性の日々は、ただ苦しく埋められない。強くない
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