当ての無い何かが、/榊 慧
 
   表す上手い言葉が見つからない。






天国ではなく天獄だとしたらたいして変わりもしない。地獄はそこの交差点を右。俺の言うことを信じてはいけないよ。さわると雪が寂しがるから。紙で出来た箱のなかでは響いてまた戻ってくる。決して外へは伝わらぬ。寒い俺を嘆き続け首から上は誰もない。叫び声は短剣の上、ちらりちらりと揺らめいて身籠る。大きすぎて、欠ける。何がとは、聞くな。右手が冷たい。痛い。突き刺さるような感覚。上を見れば、蛍光灯が眩しいのです。充電前の知識ですら煩わしく、纏わり付く。こんなことになるとは、誰だって思わないだろう?悲劇的浄化に、呑まれたい。
目を覚ましても気だるい。
[次のページ]
戻る   Point(0)