沈黙の内側、ダイヤグラムは途切れたものばかりで体裁を整えている(3)/ホロウ・シカエルボク
話し始めようとした。腐臭はもう俺の目を見てはいない。ほんの少し憎しみから戸惑いのようなものに姿を変えた目は自分の右足のつま先の少し先を見ている―恥じているのだ。金縛りにかかったみたいにそこを見つめたまま動こうとしないやつの視線を眺めながら、ああ、こいつの心にもきっと硬い硬い錠前が下りているのだなと俺は考えた―恥じているのだ。心を開こうとする者は、それが硬く閉ざされていることを恥ずかしく思うから口を聞けなくなる。一度開いたものをもう一度閉じるときには、きっと開こうとしたそのときよりもずっとずっと固い決心のようなものがいるだろう。もちろん、閉じずにすむのならそれに越したことはないが―もしも一度開いて閉
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