いぬけ/佐々木妖精
 
                   え
聞き取れぬ頭でほろほろ歩きコツリ何かあるよと呟く杖
急に現れた裸の足跡は中央にくっきりとたった1つだけ
地中からきた足踏みか空中からの着地かも分かんなくて
知る事も追う事も出来ないそれは雪原をかき黒々と寄せ
秘められた静寂(しじま)の美が皮膚を通してなだれ込み前頭野へ
満ち満ちた心が激しく圧迫され扇動しグラスが渇くため
人間?ならばその人が身に纏うのは恐らく一対の眩き羽(はね)
理由なき心の闇を探られストーカーと叫ばれるのを恐れ

あなたは私を見つけてくれたのですか私を知ってますか
私はあなたを知って
_ます

立ち
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